【PSVRソフト本気レビュー】ハナビ HANA type B

今回は「ハナビ HANA type B」についてレビューしていくね。

僕個人的には比較的少なめなPSVRの映像コンテンツの中でもそこそこ上位に位置づけている作品。

だからこそ、続編を待望している作品なんだけど、

ぐぬぬぬ、一向にその気配は感じられない。

無類のアドベンチャー好き人間としては、このレベルの作品がどんどん出てきてほしいところなんだけど。。

っと前置きなこのくらいにして、ハナビの本気レビュー、いってみましょう!

「ハナビ HANA type B」はこんなゲーム

「ハナビ HANA type B」は2019年に発売された、ストーリー分岐型実写アドベンチャーゲーム。

まあアドベンチャーゲームと言うか、360度パノラマ動画に少しだけ分岐要素を加えた感じなので、どちらかと言うと「実写コンテンツ」寄りに属するのかもしれない。(360度パノラマドラマ的な?)

ただ、映像面、そして総合的なコンテンツ自体の完成度は非常に高いと思う。

見てる感じはまさにドラマ。終始三人称視点でストーリーが展開していく

製作はVISION VRの「Studio Two Tokki」というのスタジオ(中国か韓国の会社?)の処女作とのこと。

ちなみに最初に本レビューの結論的な部分を言っておくと、この作品のストーリーはラブコメ系で僕個人的にはまったくダメダメで何一つ面白くない笑。

主演の2人。(元AKBの永尾まりやさんと上原一翔さん

ただ、アドベンチャーゲーム好きの僕的には、この作品のガワの部分(ゲームシステムやゲームの完成度)に、とてつもない魅力を感じるんですよこれが!

ベース部分の特徴をざざっとお伝えすると、主に以下な感じ。

  • 8Kで制作された超高画質360度パノラマ実写動画
    (360度VR動画ではなく、360度パノラマ動画である点に注意)
  • 動画の尺はほぼ映画一本分の110分が収録されている
  • どころどころに選択肢が用意されており、ストーリーが分岐する
    (ただしゲーム本軸のストーリーが枝分かれする規模ではなく、ワンシチュエーションで分岐するだけの軽めの分岐システム)
  • ストーリーは10代の若者が織りなすラブコメ系
    (ひょんなことからアンドロイド美少女と若い男が同居する話)
  • 主演である元AKBの永尾まりやさんのちょっとむふふな映像あり

肝心の分岐部分はこんな感じのUI。シンプルかつ分かりやすくて、実に秀逸。

顔の向きで選択肢を選ぶタイプ。非常に分かりやすい

とまあゲームの情報はこのくらいかな。

では、本気レビュー本編、行ってみましょうー!

「ハナビ HANA type B」の素晴らしく良いところ

プレイヤーを映像内に介入させるギミックがすばらしい!

このゲーム、見せ方が非常にうまい!

動画コンテンツって基本的に一方的に観せられるだけのコンテンツなのはご存知の通り。(テレビのように)

ただ360度動画の場合、僕たちプレイヤーに『観る場所(方向)を選ぶことができる』という部分で、わずかながらに動画コンテンツに介入する余地があると思ってて、

その部分こそが360度動画の生命線であり、そしてこのゲームはその部分で非常に成功していると思う。というか非常に見せ方がうまい!

(あくまでもこれまでpsvrで見てきた映像作品との比較なんだけど)この作品、360度動画の見せ方として一つの理想形なのかもしれないって思った。

そもそもの僕の考えなんだけど、psvrって基本的には座った状態で腰を据えてプレイするのが基本形だと思っているんだけど、

そうなると、後ろを振り向く動作って基本的にめんどくさいですよね。(なので強制的に後ろを振り向かせるようなゲームデザインはクソだと思ってる笑)

ただ、ギミック的かつ効果的に振り向く動作をゲーム内に(自然な形で)織り交ぜることで、360度動画の恩恵を最大限に受けることができるのも事実。

たとえば、暗闇の中、背後から超怖い系の息遣いが聞こえてきたら、、、めっちゃ後ろきになっちゃうでしょ?

「ハナビ HANA type B」は、作り手がこの肝の部分を非常に心得ていて、絶妙なバランスで(プレイヤーを振り向かせる動作を)取り入れており、360度動画を存分に使いこなしてるんですよ。

たとえばこんなシーン↓

ドラマ内の演者さんが、僕たちプレイヤーの後ろに目線をあわせるシーンなんだけど、、

こういうふうにこられたら、思わずふりかえっちゃうよね笑

こんな感じで、ドラマ内に僕たちプレイヤーを介入させるギミック的な作りが随所に散りばめられていて、思わず「おー!」って感心しちゃいました。

これこそ360度動画の醍醐味というか、作り手のセンスが問われるところだなあとしみじみと感じた。

とにもかくにも、「ハナビ HANA type B」は見せ方が最高にうまいってこと!

8Kの超高画質で目疲れもほぼない

8Kで撮影された360度パノラマ映像は非常に綺麗で見やすい。しかも目疲れがほぼないのでまったり鑑賞出来る感じ。

psvrで配信されている映像コンテンツの質はほんとピンきりなんだけど、「ハナビ HANA type B」のクオリティは非VR系(立体視じゃない映像)では最高峰だと思う。

長尺の映像コンテンツでこの点は非常に重要!

そして、立体視のVR映像だったらこうはいかなかったはず。(立体視のVR実写映像って真正面以外は焦点がずれがちだし、かなり目疲れしちゃうからね)

このゲームが『見やすさ・目疲れ』の点を考慮して非VRにしたのかどうかは不明なんだけども(もしかしたら金銭的な理由で非VRにせざるを得なかったのかもだけど)、僕個人的には、結果的に非VRで成功してるんじゃないかなと思ってます。

(ただし、先の項目でお伝えしたように『360度動画をうまく使いこなしていることが前提』なのはいうまでもない(じゃないとわざわざVRヘッドセットを被る必要がないからね。そもそもテレビで良いんじゃね?的な))

古き良き分岐システムは文句なし

「VRだから」って理由だけで、作り手はなにかしらトリッキーなことをしがちなんだけど、もうそういうのは必要ないっす。(カーソルが出ないとか、暗に観た時間で分岐したりとかとか)

遊ぶ側にとっては、とにもかくにも分かりやすく、ストレスのないゲームシステムであることが何よりも重要。

その点このゲームは潔すぎる!笑

画面中央に出てくるいかにも分かりやすい選択肢に視点をあわせてボタンを押すだけ。

これ以上何もいらないし、これ以上余計なことをするな!

このゲームの作りては非常に心得ていると思う。

VRを生かしたUIの見せ方が秀逸

メインである映像コンテンツ部分はいたって普通の360度動画なんだけど、
そんな中、チャプターセレクト画面や、ギャラリー画面は非常にVR(立体視)を生かしまくったセンス抜群のUIになっている。

VRのまさに見本とも言える王道的な見せ方。

おもわず「お〜」となっていしまう笑。VRであることの説得力が凄いなあ。良い!

「ハナビ HANA type B」の全然ダメなところ

唯一にして最大の欠点がこちら。

ストーリーが残念すぎる

もうね、なんでこんなクソストーリーをチョイスしたのかはなはだ疑問、というか、これ最終的に決めた人間って絶対に現役をほぼ引退した中間管理職の人で時勢を読み取る能力が前世代的なオワコンのおっさんなんじゃないかっていう僕の勝手な予想なのですがいかがでしょうか皆さん笑。

「ハナビ HANA type B」のストーリー概要を簡単にいうと、10代20代をターゲットにしたラブコメ風のストーリーで、

ひょんなことから美少女アンドロイドが若者男子の家にいそうろうをすることになる、って話なんだけど、、、

こんな話誰が観てーんだよっ!!!

このコンテンツが作られた時期はVR黎明期だったので、「サマーレッスン」とか「VR彼女」的なものが話題になってたのが大きいと思うんだけど、

にしてもさあ笑

まあ僕がどういういってもあれなのでこれ以上いわないけど、とにかくこの本作はストーリーが残念すぎるわけです。

はぁぁぁぁぁ、このゲームシステムでミステリー・サスペンス系のストーリーが遊びたかったなあ。

※(フォローじゃないけど一応の補足)永尾まりやさんのちょっとむふふな映像が見れるのは事実なので、そういう意味でのファンアイテム的な見方をすれば、まあこのストーリーもありなのかもしれない。

「ハナビ HANA type B」の総評

★3.5

ゲームシステム最強!ストーリー最低!

「ハナビ HANA type B」の総評は一行で十二分に言い表せるんじゃないかな。

クオリティーと言う面では非常に高くて、すごい丁寧に作られているのは間違いない。

韓国のゲームスタジオっぽいんだけれど、非常に好印象です。

僕はもともと映画やアドベンチャーゲームがとても好きなので、本作のゲームシステムの土台部分には非常に魅力を感じる。

今回のストーリー自体は僕個人的には非常に残念ではあったんだけれど、ぜひこのガワを使った別のストーリー作品を作って欲しいなあ。

ただ、360度動画コンテンツの可能性を見せつけてくれたって部分では、この作品「ハナビ HANA type B」は間違に開くVR業界に痕跡を残したと思う。

この流れに乗じてスパイク・チュンソフトあたりが本気でサウンドノベル系を作ったら凄い面白いのができるんじゃないかなあって、とてつもなく楽しみです。

とにもかくにも、何卒続編を!

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