シュールなビジュアルとポリゴン黎明期のようなカクカクポリゴン。
革新的、衝撃的、などと言ったフレーズが独り歩きしている本作ですが、その実力やいかに。
お世辞皆無の本気レビュー、いってみましょう!
もくじ
SUPERHOT VRとは
ゲームそのものは確かに画期的。斬新なアイデアが詰まった全く新しいゲームシステム
SUPERHOT VRの特徴は、とにもかくにも革新的なゲームシステム。
その斬新なゲームシステム部分を言葉で説明すると、
自分が動いた分だけ世界が動き、
自分が止まると世界も止まる。
そんな世界観・ゲームシステムの中一人称視点でゲームが始まり、ステージ上のすべての敵を排除すれば一面クリア、と言う感じ。
(ちなみに攻撃手段はパンチや銃、物を投げたり、あとは超能力攻撃なども存在する)
この独特なゲームシステムを分かりやすい例えで言うと「風来のシレンのVR版」という感じだと思う。
シレンの場合は自キャラが一歩歩くと敵も一歩歩く(自身が一つのアクションを行えば敵も一つのアクションを行う)、というものだったけど、このSUPERHOTも同じような感じ。
自身が動いた分だけ、敵も同じように動く、という感じ。(自分の顔の向きを少し変えるだけでも世界がちょびっとだけ進みます)
ただ、SUPERHOT VRの敵は銃をバンバン打ってくるので、この『自分がちょびっと動く』だけでも、なかなか侮れない。
このへんに本ゲームの戦略性が生まれてくるんだけど、はたから見たらすごい地味なゲームかもしれない。
そういう意味では「詰め将棋的なゲーム」という言い回しが個人的にはしっくり来ている。
(↓このPV動画見てちょっと笑っちゃったんだけど、間違ってもこういうアクロバティックなゲームではないのでお間違いなく。というかこれ、わざと誤解を生むような演出にしてると思う笑。タチ悪すぎ)
立ち姿勢設計で作られたゲーム
あと、このゲームは立ちプレイ前提で作られている、という点は事前に把握しておくべき部分かもしれない。
ゲーム内では敵からの銃撃を避けるようなシーンが頻繁にあるんだけど、大きくしゃがみこまないととうまく避けれない場面も多いので、座ったままだとおそらくゲームを進行できない状況になるんじゃないかな。
座りプレイ派の方は要注意。
SUPERHOT VRの素晴らしく良いところ
それでは、ここからは良い点、悪い点を見ていくね。
まずは素晴らしい点から。
この斬新なゲームシステムはやはり称賛に値する
やはりこのゲームの画期的と言われているゲームシステム部分は素晴らしいと思う。
始めてプレイした際は「おお〜 なるほど!」と声を上げてしまいそうになったのは紛れもない事実。
特に、スローモーションの世界の中で敵から放たれる銃弾を避ける感覚は斬新。
ちょっとしたマトリックス気分が味わえること間違いなし。
実際にこの基盤となるゲームシステム部分が評価されて、いくつかの賞の受賞につながっていると思うし、そこは異論なし。なんだけど、、
実は僕個人的に良いと思えたのはここだけという(汗。
つづきは悪い点で。
SUPERHOT VRのダメすぎるところ
例えるなら、詰め将棋をただただ繰り返すだけの、淡白すぎるゲーム設計
良いところでお伝えしたように、たしかに最初は「おおっ!!」と思うんだけど、
それ以降は、なんというか、ただただ同じようなパズルゲームを永遠と繰り返すだけなんですよこのゲーム。
画期的なアイデアでもってゲーム基盤部分を作ったんだけど、そこで満足しちゃって、その他の肉付けを端折っちゃった感じ。
遊んでても、ゲームをクリアして先に進めたいと思えるようなモチベーションが全く湧かないというか。これは致命的だと思う。
ストーリも一応あるにはあるんですよ。おまけ程度みたいなものが。
ステージの合間合間でこの謎めいたシーンが挿入されていくんだけど(徐々に進展はしていく)、ただ、こんなんあってないようなものだし、ゲームを先に進めるモチベーションには全くならない。
さらに言うと、この画期的と思われるゲーム本編部分も、例えばリズムゲームにあるような没入感や爽快感だったり、夢中になってパズルを解いた後のような達成感もあまりなくて、
ほんとシュールに、淡々と地味に進めるようなタイプのものなので、明らかに盛り上がりに欠けると言うか。
結果的に僕はすぐに飽きちゃいました。だって遊んでて面白くないんだもん。
とはいえ4〜5時間程度は頑張ってプレイしています。「お〜!」と思えたのは最初の一時間くらいだったかと。両手からビームを発射できるようになってしばらく進んだあたりまで進めたんだけど↓
結局全体の何割くらいまで進めれたのかも分からないし、ここからなにか劇的な展開が期待できそうな雰囲気もなし。
現状の完成度だと、モチベーションを維持しつづけるのはちょっと厳しいんじゃないかな。
ミスすると何度も同じステージを強いられる時代遅れな鬼仕様
このゲームは3〜5ステージくらいを連続してクリアすることで「1面クリア」的な感じで進んでいくんだけど、ステージの途中で死んでしまったら、最初からやり直しになっちゃうんですよ。
さらに言うと、このゲーム結構難しくて、死にまくるゲームでもあるわけ。
1ステージが短いし致命的では無いのかも知れないけど、僕個人的にはかなりストレスに感じた部分。
というか、クリアしているのに同じステージを何度もやり直させる意味が分からない。
こういうのって作り手のエゴ意外の何者でもないと思う。(プレイヤーにとってメリットが何一つ無いもんね)
SUPERHOT VRその他の特徴
SUPERHOT VRは意外にもエクササイズゲームだったという事実
このSUPERHOT VR、意外にもエクササイズゲームなんです笑。
記事冒頭でお伝えしたように、このゲームは敵からの攻撃や銃撃を避けるシーンでは自分の体を大きく反らす必要が出てくるんだけど、この動きが意外としんどい。
しゃがみの姿勢は茶飯事だし、ゲームシステム上不用意に動き回れないという世界観(自分が動くと敵が動くので)なのも相まって、中腰の姿勢で敵からの銃撃をやり過ごしたりも頻繁に出てきます。
結果的にかなりの運動量になるし、冬場でもそこそこ汗をかくと思う。(ボクシングのような瞬発的な動きというよりは、ヨガ的な、ストレッチ系の動きです。じっとりした感じでしょうか)
ちなみに僕は初プレイ翌日、普通に筋肉痛になりました。
SUPERHOT VRの総評
星2.5
ちょっと辛口になってしまったかもだけど、ううむ、現状では星2.5はいたしかなたないかなあと。
この作品の狙い的には、(海外ではいかにもうけそうな)「クールな世界観」を意図的に作り上げた結果がこうなってしまったのかも知れないけど、個人的にはなんとも中途半端な完成度と言わざるを得ない。
3,000円程度のミニゲームに求めるのは酷かもだけど、このゲームシステムで、もっとプレイヤーが介入しやすい世界観やストーリー部分をゲームシステム部分に組み込めれていれば大化けしていたのかもしれない。
そういう意味では続編には期待ですね。
(同じく淡々とクリアしていくタイプの「テトリスエフェクト」や「Beat Saber」にあるような(自分の現在地点が分かるような)ロードマップがあるだけでも、遊ぶ上でのモチベーションがだいぶ変わってくると思うんだけどなあ)
非常に残念な一作。
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